こんにちは!ふきよせです。
地元駅に、近所の稲荷神社で行われる初午(はつうま)祭のポスターが貼られました。
普段は通り過ぎてしまうような、ひっそりとした神社なのですけれど、初午の時は赤と白のたくさんののぼりが並び、とても盛大です。ワクワクしてきました。
友人にその話をしたら、初午を知りませんでした。別の友人も…
今の時代、けっこう知らない方、多いみたいですね。
考えてみれば、地域にお稲荷さんがない場合、知る術がないかもしれません。
今回は、初午のお祭りについて、ご紹介します。
初午のお祭りが稲荷神社で行われる意味
初午とは、2月の最初の午の日のことです。
日本は古来より、時間・日付・方角など、干支を使って表していました。
初午のお祭りは、立春以降(昔は立春が一年の始まりとされていました)の最初の午の日に、稲荷神社で行われる祭礼です。
2018年は2月7日(水)が初午です。
稲荷神社の本社である京都の伏見稲荷神社のご祭神、宇迦御霊神(うかのみたま)が、伊奈利山(いなりやま)へ降臨された日が、711年(奈良時代)の初午の日であったとされています。
そのため、午の日は稲荷神社のご縁日(祭祀や供養が行われる日)となりました。
宇迦御霊神は、五穀豊穣をつかさどる、農業や食物の神様です。
稲荷は「稲生り」の意味とされています。
お祭りでは、豊作、商売繁盛、開運を祈願します。
初午の日に参拝することは、初午詣(はつうまもうで)と言われ、江戸時代では、とても賑わいのあるお参りでした。
京都の伏見稲荷では、初午詣を福詣り(ふくまいり)といいます。
現在でも、茶道では初午茶会が開かれ、菓子司では狐のお菓子が作られます。落語では初午にちなんだ演目があり、一月下旬から二月の寄席でよく演じられています。
稲荷神社での初午祭のお供え
お稲荷様へのお供えは、正式には五穀(米・粟・ヒエ・蕎麦・大豆)の初穂ものです。しかし、油揚げ、紅白餅、いなり寿司なども定番となっています。
油揚げは、神様のお使いである狐の好物だとされるからです。
稲荷神社といえば狐というイメージがあるので、よく誤解されますが、狐は神様ではなく、神様のお使いです。
なぜ、狐が神様のお使いなのでしょう?
いくつか説があり、確かな理由は不明ですが、私が「なるほど!」と思った説をご紹介します。
この山と里の行き来から、狐は農耕の神のお使いと考えられたという説です。
「ツ」は接続詞のノ
「ネ」は根と同意語で、大本や根源の意味
稲荷信仰は食物の神への信仰ですから、「ケツネ」とは「食の根源」を意味する言葉となります。
この言葉が動物の狐と結びつき、同一視されたという説です。
いずれにしても、狐が食べ物と深い関わり合いがあると考えられて、稲荷明神のお使いとされたのですね。
本来、狐の好物はネズミで、ネズミの代用物として、豆腐の油揚げをお供えしたといわれています。(こちらも諸説あり)
参拝者のみなさんが、ネズミを並べるわけにはいかないですよね。苦笑
油揚げは、穀物の大豆が原料なので、お供えとして良いとされたとのことです。
初午でお供えされるいなり寿司の意味
江戸時代、狐の好物である油揚げの中に、農耕の神・稲荷明神がもたらしてくれた米を詰め、いなり寿司となりました。
いなり寿司は、稲荷神にまつわる食材が組み合わさってできたのです。
一般的に、いなり寿司には、「俵型」と「三角形」の2種類の形があります。
関東では俵型が主流で、四角形の油揚げを使い、円筒形にして「米俵」に見立てました。
関西では三角形が主流で、三角油揚げを使い、「狐の耳」に見立てました。
私は関東出身なのですが、初めて三角のいなり寿司をいただいたときにびっくりし、狐の耳のかたちと聞いて感動したことを覚えています。
いなり寿司の名店の屋号は「志乃多」「志乃だ」など「しのだ」が多いです。
浄瑠璃や歌舞伎に「葛の葉」という狐の伝説の演目があります。このお話の中で、「恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉」という、狐の葛の葉が詠んだ和歌が出てきます。
屋号は、この和歌の「しのだ」から由来しています。「しのだ」とは、いなり寿司専門店を意味しているのですね。
いなり寿司の味は、お店によって千差万別です!
お参りに行った土地で販売されているいなり寿司を、食べ比べてみても楽しいと思います。
もちろん、おうちで作るのもいいですね。
初午のパワーフードいなり寿司、ぜひ食べてみてください。
初午のまとめ
私の近所のお稲荷さんは、初午は2月にありますが、旧暦の2月、つまり現在の3月に行う稲荷神社もあるそうです。
ご参拝をご検討の方は、行ってみたいお稲荷さんの開催日を、しっかり確認してからうかがってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました◎