こんにちは!ふきよせです。
こどもの日に食べる定番の行事食、柏餅。
ぷりっとしたお餅の食感に、柏の葉っぱの香りがさわやかで、おいしいですよね。
ところで、なぜ柏餅をこどもの日に食べるようになったのでしょう?
やっぱり柏餅の特徴である、お餅を包んでいる葉っぱに意味があるのでしょうか?
お子さんに柏餅について聞かれたときに、すっきりお答えできるように、今のうちに確認しておきましょう。
こどもの日に柏餅を食べる理由
柏餅(かしわもち)とは、上新粉(じょうしんこ:うるち米の米粉)をもとに作った餅に、あんを挟み、柏の葉を二つ折りにして餅を包んだ和菓子です。
あんの種類は、こしあん、粒あん、みそあんがあります。
みそあんが普及していない地域もあり、みそあんの存在を知らない方も。
上新粉のお餅は、少しぷりっととした食感で、噛み切れが良く、食べやすいお餅です。
白いままのお餅が基本ですが、ヨモギなどを加えて草餅にした柏餅もあります。
みそあんのお餅はを、うっすらピンク色に着色しているお店が多くあります。
柏餅は、のこっている文献などから1750年頃の江戸で発祥したとされています。
柏の葉は、新芽がしっかり育つまで、古い葉が落ちません。
「家を継ぐ子供が生まれるまで、親が生きている」「跡継ぎが絶えない」ということから、子孫繁栄を願って、食べられるようになりました。
参勤交代で全国に、柏餅が伝わったと考えられています。
家系の存続が重要だった武家にとっては、縁起の良い食べ物だったのですね。
柏餅に葉っぱを使う意味
柏という植物
実は、日本でカシワと呼ばれる木は2種類あります。
漢字で書くと「柏」と「槲」で、どちらもカシワと読みます。
柏の木は、ヒノキ科の針葉樹、コノテガシワのことです。
槲の木は、ブナ科の落葉樹で、柏餅に使われている葉っぱは、槲の木の葉です。
コノテガシワは、ヨーロッパなどではコニファーと総称される木で、クリスマスツリーにも使われる木です。
クリスマスツリーの木については、こちら→
全然葉っぱの形が違うのに、ややこしいですね。苦笑
また、近畿より西の地域では槲の自生が少なく、葉っぱが手に入りにくかったため、サルトリイバラという多年生植物の葉が使われていました。
かしわの葉でお餅を包んだ理由
縁起的な意味とは別に、かしわの葉っぱを使う理由がありました。
お餅を葉っぱで包むと、この香りがお餅に移り、食べるときに香りも楽しむことができます。
蒸したお餅を葉っぱで包むより、お餅を葉っぱで包んでから蒸すほうが、より強く香りが移ります。
手を汚さずに、また手を洗えないときでも、お餅を食べることができます。
また、ラップのように、お餅の乾燥を防ぎ、水分を保湿する役目もありました。
葉っぱで包むというのは、先人の知恵ですね。
笹の葉や柿の葉も、かしわの葉と同じような目的で使われています。
現在でも、笹の葉で包んだちまき、笹団子、笹寿司、柿の葉寿司などがあります。
さらに、小豆あんは葉の表が見えるように包み、みそ餡は葉の裏が見えるように包む。
そんな風に、お餅の中身がわかるようにするため、葉っぱの使い方の決まりがあった時代もありました。
今では、茶色い葉がこしあん、緑の葉が粒あんというように、葉っぱを使い分けている和菓子屋さんもあります。
柏餅の葉っぱは食べるもの?
柏餅の葉っぱは、基本的に食べません。
毒性があるような、食べてはいけない葉っぱではないので、うっかり食べても大丈夫です。
ただ、固くて、おいしくないです。
昭和天皇が、出された柏餅の葉っぱを召し上がって、「おいしくない」とおっしゃったお話しは有名です。
「お皿の上に載っているものは、全て食べられるもの」とされる当時の皇室で、柏餅の葉っぱを外さずにお出ししてしまったことから起こった事件です。
柏餅の葉っぱは、桜餅の桜の葉っぱのような、食べられるようにする加工がしてあるわけではありません。
バリバリした食感がお好きでしたら、食べても良いと思いますが…
フォーマルな場で食べなくてもマナー違反にはなりません。安心して残してください。
こどもの日の柏餅のまとめ
和菓子屋さんやスーパーなどでも柏餅は簡単に手に入りますが、こどもの日だからこそ、ものすごくこだわって作られた柏餅を食べてみるのもいい体験になるかもしれません。
あんの包み方まで伝統を守っている柏餅。
さすが、老舗ならではの柏餅です↓
こどもの日には、先人の知恵に思いをはせながら、柏餅を食べてみてください。
ご家族みなさんで、楽しい団らんのひとときが過ごせますように。
最後までお読みいただきありがとうございました◎