こんにちは!ふきよせです。
こどもの日は、兜を飾って、鯉のぼりをあげて、お膳を囲み、家族でお祝いをする他に、菖蒲湯に入るというご家庭もありますよね。
さらに、菖蒲の花を生けて床の間に飾ったり、菖蒲の葉を浮かべたお酒を飲んだり、菖蒲の葉を軒先に吊るしたり。
しかし、そんな昔ながらの風習を知らない方もいらっしゃるのでは?
こどもの日の風習に欠かせない植物、菖蒲。
菖蒲が使われるようになった由来と、菖蒲に込められた意味をご紹介します。
こどもの日と菖蒲の関係の由来
古くから、菖蒲は独特の強い香りから、強壮解毒作用があり、病気や鬼を追い払う薬草だと考えられていました。
こどもの日・端午の節句は、古代中国では薬草を採取する日で、この日に菖蒲を使って毒気や邪気を祓ったとされます。
朝鮮半島でも、厄除けのために、菖蒲の煮出し汁で髪を洗い、女の子は菖蒲の茎のかんざしをつけ、男の子は菖蒲の腰飾りを身に付けるという習慣がありました。
もちろん日本にも伝わり、日本でも菖蒲を端午の節句に使うようになります。
平安時代には、菖蒲を屋根に吊るしたり、菖蒲を使って薬玉(厄除けの飾り)を作って飾ったりして、邪気祓いをするようになりました。
鎌倉時代になって武家中心の社会になると、菖蒲は勝負・尚武(武事を重んじること)と音が同じことと葉の形が剣に似ていることから、端午の節句は男の子のお祭りにふさわしいとされるようになりました。
現代でも菖蒲は、こどもの日の植物として、全国的に使われています。
こどもの日に菖蒲湯に入る意味
菖蒲湯とは、5月5日に菖蒲の根や葉をお風呂に入れる、民間療法です。
節句は季節の変わり目とされ、体調を崩しやすいと考えられていました。
ですから、節句の日には薬湯に入って、病気を退散させようとしたのでしょう。
一般庶民が菖蒲湯に入るようになったのは、江戸時代のこと。
当時は端午の節句になると、銭湯の大浴場に菖蒲が入れられました。
お風呂の中で、菖蒲の葉をハチマキのように締めると、効果が高まるとか、頭が良くなるとか…笑
菖蒲は、サトイモ科の多年草で、水辺に群生します。
葉や根には薬効があり、漢方薬として使われています。
端午の節句では、葉の部分をお風呂に入れることが一般的ですが、根の部分の方に薬効成分が多く含まれています。
効能を求めてお風呂に入れる場合は、漢方薬局で販売されている菖蒲根(しょうぶこん)をご利用ください。
- 解毒
- 血行促進
- 腰痛や神経痛を和らげる
- 保湿効果
また、菖蒲には、アサロン、オイゲノールという精油成分(エッセンシャルオイル)が含まれ、リラックスができる香りとして、アロマテラピーにも使われています。
菖蒲の香りは、熱いお湯できわだちますから、少し熱めのお風呂を沸かしましょう。
菖蒲の葉をそのまま入れても十分楽しめますが、私がおすすめするのは、葉を細かく刻んで入れる方法です。
刻んでひと手間かけると、より強いさわやかな香りが楽しめますよ。
- 菖蒲の葉を適当な大きさ(2~3cm)くらいに刻みます。
- 刻んだ葉をガーゼなどで包みます。私は洗濯ネットを使っています。
- 洗面器に包んだ葉を入れ、熱湯を注ぎ、10分ほど蒸らします。
- 洗面器のお湯と葉を、お風呂に注ぎます。
こどもの日に飾る菖蒲の花
紫色の菖蒲の花は、凛としたたたずまいがステキな花ですよね。
この花は、花菖蒲と呼ばれ、菖蒲湯に入れる菖蒲とは、異なる植物です。
花菖蒲は、アヤメ科アヤメ属の多年草で、アヤメやカキツバタの仲間です。
3種とも、とても似ている植物ですが、花びらの元が黄色い花が菖蒲です。
花菖蒲は、端午の節句の頃に花が咲き、葉が菖蒲に似ていたため、菖蒲と呼ばれるようになりました。
現在の花の見ごろは6月ごろ、旧暦の端午の節句の頃です。
鎌倉時代頃に武士社会で、端午の節句が男の子のお祭りと定着すると、鎧などの武具に花菖蒲をモチーフにした文様を施し、武運長久を願いました。
江戸時代になると、花菖蒲は端午のお祭りの花として、栽培されるようになりました。
品種改良が繰り返され、各地に菖蒲園という庭園が造られ、花菖蒲の園芸文化が発展してゆきます。
菖蒲の花は、咲いてから数日でしおれてしまう、花の時期がとても短い花です。
これでも、品種改良で、花持ちは長くなったのです。
もし、お家で花菖蒲の生花を飾るのならば、つぼみの状態の花を買いましょう。
お水を好む植物なので、吸水スポンジ(オアシスなど)よりも花瓶の水の方が、水切れを起こしにくくなります。
また、菖蒲の花は、2度咲きます。
咲き終わった後に、しおれた花びらを取ってあげると、2番花という一回り小さい花が、もう一度咲きます。
2番花が咲く菖蒲は、つぼみの根元にふくらみがあります。
お手頃価格のお安い菖蒲は、このふくらみがないことが多いです。
購入時は、お花屋さんで確認なさってください。
ご近所で花菖蒲が見つからない可能性のある方は、ネット注文もご検討くださいね↓
こどもの日の菖蒲のまとめ
菖蒲と花菖蒲は、こどもの健やかな成長と武芸の上達を願い、無病息災を祈るための植物だったのですね。
昔も現代も、親がこどもを思う気持ちは変わりません。
薬湯菖蒲湯に入って、花菖蒲を飾って、思い出に残るこどもの日をお祝いください。
最後までお読みいただきありがとうございました◎