大晦日の除夜の鐘の意味。108の煩悩の意味と開始時間

除夜の鐘
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こんにちは!ふきよせです。

大晦日の夜になると、いつの間にかどこからかお寺の鐘の音が聞こえてきますね。
テレビをつけていても、日付が変わる直前は、各地のお寺の中継をしています。

寒さや冷えた空気と相まって、静かでしみわたるような緊張感のある音です。

世界各地の年明けは、音楽が奏でられ、花火が打ち上げられ、とても華々しいものですが、昔から続く日本の年越しはずいぶん厳かで、風情のある音とともにあります。

「煩悩の数だけ叩く」ということは、小さい頃にどなたからか聞いたことがあるかもしれません。
しかし、大晦日の除夜の鐘の意味や由来について、きちんと知らない方も多いのではないでしょうか?
「煩悩って何?」と思う方もおられるかもしれませんね。

大晦日の除夜の鐘の意味について、確認しましょう。
今までとは異なる気持ちで、新年を迎えることができるでしょう。

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大晦日の除夜の鐘の意味

大晦日の晦日とは、三十日目のことをいいます。
晦は「つごもり」と読み、「月ごもり」から派生した言葉で、「月が隠れる」という意味です。
明治時代まで日本で使われていた太陰暦の一カ月は、月の満ち欠けの周期にもとづいており、毎月一日が新月、十五日が満月でした。
そのために、一日の前の日、三十日は新月になる日で、月が隠れる日だったのです。
さらに、一年で最後の月が隠れる日を、大晦日といったのです。

除夜とは、除日(じょじつ)の夜という意味です。
除日とは、古いものを除き新しいものを迎える一年で最後の日という意味になります。

お寺の鐘は、梵鐘(ぼんしょう)という仏教で使われる道具(仏具)の一つです。
梵鐘の音は、聴く者の心の苦しみや悩みを祓い、悟りへと導くものとされています。
法要などの仏事の始まりの合図として、また朝夕の時報として、普段から日常で使用されています。

大晦日は、旧年と新年の区切りの日で、新年に家に一年の実りと幸せをもたらす歳神様が来るのを、寝ないで待つ日でした。

かつての日本では日没を一日の境として、大晦日の日暮れとともに新年となりました。
除夜の鐘は新年を知らせる合図でもあり、新年最初の行事の一つだったのです。

大晦日の除夜の鐘は煩悩をはらう

除夜の鐘は、日本の仏教において、大晦日の深夜0時を挟む時間帯に、梵鐘をつく行事です。
中国の宋の時代に始まり、鎌倉時代に禅宗とともに日本に伝えられました。
室町時代には、108回鐘をつく現在と同じような形式になりました。

鐘をつく回数が108回という理由は諸説ありますが、人間が108の煩悩を持っているという仏教の教えにより説が最も有力です。
煩悩とは、欲・怒り・執着・疑い・妬みなど、人を苦しめる心の働きのことです。

目・耳・鼻・舌・身・意という人間の感覚器官6種、好き・嫌い・どちらでもないという感情の感じ方3種、良い・悪いという判断2種、現在・過去・未来という時間軸3種を全てかけ合わせると、6×3×2×3=108になります。

除夜の鐘とは、大晦日の夜に、聴く者の心を苦しみから救うとされる梵鐘の音を聴いて、煩悩から解放され、新たな清々しい気持ちで新年を迎えようとすることといえます。

他にも108回の由来は、以下の説があります。

・一年を表す説
 月の数12、二十四節季の数24、七十二候の数72を全て足すと12+24+72=108となります。
・四苦八苦を表す説
 語呂合わせを足し、4×9+8×9=108となります。

どれも108になるというのに驚きます。
思いついた人がすごいです。

梵鐘の音に聴き入っていると、心が洗われていくように感じます。
煩悩が一つずつ消えていっていると思うもよし、一年の間に起ったさまざまな出来事に思いを馳せるもよし、苦しかったことや悲しかったことを振り返り心の傷が癒えていっていると感じるのもよいでしょう。
音を聴きながら、自分自身を見つめることができます。

大晦日の除夜の鐘が始まる時間

現在は、一般的に旧年中に107回鐘をつき、新年になってから最後の1回をつきます。
しかし、先に述べたように、梵鐘が新年を告げる合図であったため、0時を回ってから鐘をつき始めるお寺もあります。

旧年中につき始め、きっちり0時に終わる場合、夜の10時30分を回ったころから始まることが多いです。

もし、大晦日にお時間があるようでしたら、除夜の鐘を体験されにお寺にお出かけになってみてはいかがでしょうか?

遠くで聞く鐘の音と、近くで鳴り響く迫力のある鐘の音は、印象が全く変わります。
鐘のすぐ近くで聴くと、音の振動が身体を駆け巡ります。
音の威力に意識を向けることにより、雑念が浮かばなくなるように感じます。
お寺の本堂では、ずっとお経があげられ、お香も焚き染められています。
なるほど、煩悩を祓われている!と思えます。

鐘をつかせてくれるお寺もたくさんあります。
ええい!と一年の思いを一打に込めて全力でつくと、心がきれいさっぱり晴れるでしょう。

一般の方の鐘つきを行っている場合、だいたいのお寺が無料ですが、有名な大きなお寺ですと、整理券を配ったり有料だったりする場合があります。
時間もお寺によって異なりますので、行ってみたいお寺に事前にお問い合わせください。

大きめのお寺ですと縁日が出て賑わっているでしょうし、小さめな地元のお寺でも甘酒や軽食のお振る舞いがあるときもあり、どちらにしても日本の大晦日独特の風情を楽しむことができます。

除夜の鐘のまとめ

鐘の音で新年が明ける除夜の鐘の風習は、とても美しい日本の文化の一つです。
今年の大晦日に除夜の鐘の音が聞こえてきたら、鐘の音の意味を思い出していただけると嬉しいです。

除夜の鐘を体験しにお寺に行くときは、季節的にも時間的にも大変冷え込みます。
必ず暖かい服装でお出かけください。

それではよいお年をお迎えください。

最後までお読みいただきありがとうございました◎

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